シェリル・アー 店主のひとり言

自然。暮らし。ココロ。日々思うことをつらつらと書きとめています。

ふと降りてきたもの

ヨガ、ワインのこと、マクロビオティック、発酵食、

自然農法の野菜作り、着物を着ること、

日本文化を学ぶこと、ホメオパシー

瞑想、食育、

やりたいことがたくさんあるのだけど、

なかなか手をつけられないなーーと思っていた時に

ふと、降りてきたものがありました。

それは四半世紀ほど、心に残しながらも、
拒否していたことです。

向き合ってしまったら、自分の嫌な記憶が蘇ってしまうのではないか?
と思ってしまうのですが、


でも、多分、一番大好きなことだと思います。
それは絵を描くこと。

物心ついた時から、絵を描いていて
それは、漫画やイラストでしたが、

画家になりたいと思って、
アカデミックな画法を学んだりもしました。

14歳の時から油絵を学び始めて、25歳まで描いていたけど、
道具を捨ててしまうほど、きっぱりとやめました。

やめた理由は置いといて、、、

今でも、テレピン油とリンシード油と油絵の具の匂いを嗅ぐと
複雑な心境になってきます。

でもなぜか、卵の卵黄を見ると潰して筆で溶いてみたくなるのです。

絵を描くのに卵の黄身?

と思うかもしれませんが

古典技法のテンペラ画では卵の卵黄で顔料をときます。

大学のゼミでボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」と言う絵の
右側にいる、季節と時間の女神「ホーラ」の顔部分を描きました。

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ヴィーナスの誕生ですね


10ミリの板に寒冷紗を貼って、膠で固めて、その上に石膏を塗って
ベースを作ります。

固まったら、下絵を描いていくのですが、
線画から本番なので、失敗はできないという緊張感があります。

油絵のように塗り重ねで消すことができないのです。
丁寧に描写して色を重ね時間をかけて仕上げていきます。

期間は1つの作品で3ヶ月ぐらいだったでしょうか?
授業で取り組む作品としては長いスパンです。

そのテンペラ画をもう一度やりたいなあと言う心境になったのです。

なんだか小難しいことを書きましたが、

キャンバスにガシガシと絵の具を乗っけていくよりも、
細い筆で計画通りに描いていく方が好きだったのです。

学生だった頃は道具が高すぎて、また
材料も簡単に手に入らず、諦めたこと25年。

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こんな風に金箔もはる

 

ryoshio.exblog.jp
↑ ↑ ↑  上の写真はM美の絵画組成のテンペラ画とほとんど同じ工程

チューブ入りの絵の具が作られる前は
画家が工房で顔料から絵の具を練って作ってたので

それこそ、材料の無駄が出ないように、
貴重な顔料で少しづつ使い切れるぐらいの絵の具しか
作らなかったんだろうな。

何を描きたいかより。
工程が好き。

と言うのは、パン作り、菓子づくりと似ているのかもしれないです。

でも、その工程を集中して取り組めるには
完成図が頭の中にないと、

スムーズに作ることも
描くこともできないので

全体的に流れている空気感が好きなのかもしれません。

根っからの職人気質なんですかね。